ANSERA JOURNAL
港区の街
白金一丁目西部中地区再開発とは?39階・991戸の新タワーと白金高輪の今後を解説
白金高輪駅近くで進む「白金一丁目西部中地区第一種市街地再開発事業」を解説。地上39階・約140m、住宅991戸の計画概要から白金商店街、周辺マンション価格、南北線品川延伸まで、白金高輪の将来を不動産会社Anseraが分析します。

白金一丁目西部中地区再開発とは?|白金高輪で何ができて、街はどう変わるのかを分かりやすく解説

白金高輪エリアで、今後の街の姿を大きく変える再開発が進んでいます。
それが、「白金一丁目西部中地区第一種市街地再開発事業」です。
名前だけを見ると少し難しく感じますが、この再開発をひと言で表すと、
「白金高輪駅近くで、住宅・広場・店舗・子育て施設・工場を一体的に整備し、街そのものをつくり直す計画」
です。
しかも、これは単に「タワーマンションが1棟建つ」という話ではありません。
実際には、
【A街区に高層棟と中層棟】【B街区にB-1棟とB-2棟】
が整備され、さらに約3,300㎡の大きな広場や、道路・歩道・商業機能・子育て支援施設まで一緒に整備される計画です。
この記事では、港区の公式資料や設計図をもとに、
「結局ここに何ができるのか」
「完成するとどんな街になるのか」
を、できるだけ分かりやすく整理して解説します。
まず30秒で分かる|白金一丁目西部中地区再開発のポイント
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 事業名 | 白金一丁目西部中地区第一種市街地再開発事業 |
| 所在地 | 東京都港区白金一丁目地内 |
| 施行区域面積 | 約1.6ha |
| 住宅戸数 | 991戸 |
| A街区 | 高層棟+中層棟 |
| 高層棟 | 地上39階・地下1階・高さ約140m |
| 中層棟 | 地上14階 |
| B-1棟 | 地上4階 |
| B-2棟 | 地上4階 |
| 主な用途 | 住宅、店舗、子育て支援施設、工場、駐車場等 |
| 広場 | 約3,300㎡ |
| 駐車場 | 263台 |
| 着工 | 2025年10月 |
| 建築工事完了予定 | 2030年3月(2029年度) |
| 事業施行期間 | 2031年3月まで予定 |
つまりこの再開発は、約1,000戸の住宅供給を伴う大規模な街区再編です。
しかも、住宅だけでなく、広場や道路、商業、子育て機能まで含めて整備される点が大きな特徴です。
どこで進んでいる?|白金高輪駅近く、白金商店街と大久保通りに挟まれたエリア

再開発区域は、白金高輪駅の北西側にあります。
つまり、白金高輪駅前の再開発エリアから、白金商店街方面へ少し入った場所に位置しています。
この立地が非常に重要です。
なぜなら、このエリアはこれまで、
「駅前の高層マンションエリア」と「昔ながらの白金の住宅地・商店街エリア」
のちょうど境目にあたるからです。
今回の再開発は、その境界部分を更新し、新しい白金高輪の生活圏をつくる計画ともいえます。
「39階のタワー1棟」ではない|実際は4棟+広場の計画

この再開発を「39階建てのタワーマンションが建つ計画」とだけ理解すると、少し不正確です。
実際の計画では、大きくA街区とB街区に分かれており、建物構成は次のようになっています。
A街区
高層棟:地上39階・地下1階・高さ約140m
中層棟:地上14階
用途:住宅、店舗、子育て支援施設、駐車場等
B街区
B-1棟:地上4階
B-2棟:地上4階
用途:工場、事務所、住宅、店舗など
つまり、完成後の姿は、
高層棟1本だけが立つ街ではなく、複数棟と広場で構成された街区全体の再開発です。
この点は、一般的な「タワーマンション開発」とは少し性格が異なります。
住宅は991戸|しかも約半分が3LDK系
住宅戸数は合計991戸です。
内訳は次のとおりです。

ここで特に注目したいのが、3LDK系住戸の多さです。
通常の3LDKが460戸、プレミアム3LDKが28戸で、合計488戸。これは全991戸の約半分にあたります。
この数字から読み取れるのは、今回の再開発が、単身者向け・投資向けのコンパクト住戸中心ではなく、実際に家族で暮らすための住宅供給を強く意識した計画だということです。
また、100㎡超の住戸も含まれる可能性が高く、白金高輪エリアの高額住宅市場にも影響を与える可能性があります。
広場が約3,300㎡|この再開発で一番大きく変わるのは「建物の外」

今回の再開発で、実は最も大きな意味を持つのは、建物そのものより街の外部空間かもしれません。
計画では、北側に約3,300㎡の大きな広場が整備されます。
これは単なる公開空地ではなく、地域の憩いや交流、防災にも配慮した空間として計画されています。
約1,000戸規模の住宅開発でありながら、敷地いっぱいに建物を建てるのではなく、広場や歩行者空間をしっかり確保していることは、この再開発の大きな特徴です。
検討者にとって大事なのは、「新しいマンションが建つ」こと以上に、
完成後に街を歩いたとき、景色や過ごし方がどう変わるのかです。
その意味で、この広場は白金一丁目の印象を大きく変える存在になる可能性があります。
白金商店街とのつながりも重要|街の雰囲気を残しながら更新する計画

この再開発の面白いところは、街をすべて新しく塗り替えるような計画ではないことです。
公式資料では、白金商店街との連続性や回遊性が重視されており、低層部には商業機能も計画されています。
しかも、その商業は大型モールのようなものではなく、白金商店街のスケール感を意識したものとして考えられています。
つまり目指しているのは、「白金らしい生活感を残しながら、街をアップデートすること」です。
これは、虎ノ門や麻布台のような大規模ビジネス・商業開発とは少し違う、白金らしい再開発のあり方といえます。
1階には何ができる?|店舗、エントランス、車寄せなど生活の顔になる空間

1階には店舗やエントランス、車寄せなどが配置され、街との接点になる空間が計画されています。
設計図を見ると、1階には住戸だけでなく、店舗、住宅エントランス、車寄せ、共用部などが配置されています。
これは検討者にとってかなり重要な情報です。
高級住宅地の魅力は、マンションの広さや高さだけで決まるものではありません。
1階に店舗や広場、歩きやすい動線があることで、建物の周囲に人の流れや賑わいが生まれ、街全体の使いやすさや雰囲気も大きく変わります。
1階に店舗や動線が整い、人が歩きやすい空間が生まれれば、再開発後の街は「ただ住むだけの場所」ではなく、より魅力的な生活圏になっていきます。
2階には子育て支援施設|ファミリー居住を支える計画

2階には子育て支援施設が計画されており、保育園・学童・園庭などの機能が想定されています。
A街区の2階には、定員60名程度の子育て支援施設が計画されています。
図面上では、保育園や学童、園庭などの配置も読み取れます。
これは991戸という大規模住宅供給に対して、単に住戸だけを増やすのではなく、
そこで実際に暮らす家族を支えるための機能も一緒に整備しようとしていることを意味します。
先ほど紹介した住戸構成でも3LDK系住戸が多く、今回の再開発がファミリー層をかなり意識していることが分かります。
道路・歩道・無電柱化も進む|街並みそのものが変わる可能性

再開発では道路や歩道の整備、無電柱化も計画されており、街の歩きやすさや景観の改善が期待されます。
この再開発では、建物だけでなく、道路や歩道も整備されます。
具体的には、
- 区画道路1号の新設
- 既存道路の拡幅
- 歩道状空地の整備
- 無電柱化
これは見落とされがちですが、不動産価値を考えるうえではかなり重要です。
高級住宅地の価値は、マンション本体だけで決まるわけではありません。
道路の広さ、歩きやすさ、街路景観、空の抜け感、電柱の有無といった外部環境も大きく影響します。
再開発後、白金一丁目の街並みは、今よりも整然として歩きやすい印象に変わる可能性があります。
周辺マンションにはどう影響する?|新しい競合であり、街の価値向上要因でもある

白金高輪駅周辺では既に大型住宅開発が進んでおり、今回の再開発はその流れを白金商店街側へ広げるものともいえます。
ここからは、公式資料に基づく事実ではなく、市場面での見方です。
991戸という規模の住宅供給は、白金高輪エリアにとって無視できないボリュームです。
特に70㎡以上の2LDK・3LDK住戸では、既存の築浅マンションと比較される場面が増えると考えられます。
そのため短期的には、「新しい競合が増える」という側面があります。
一方で、この再開発では住宅だけでなく、
- 広場
- 道路
- 歩道
- 店舗
- 無電柱化
- 子育て支援機能
つまり、完成後の恩恵を受けるのは新築住戸の購入者だけではありません。
周辺に住む人たちも、街の使いやすさや印象の改善という形で恩恵を受ける可能性があります。
その意味で今回の再開発は、
「既存マンションにとって新しい競合であると同時に、エリア価値を押し上げる可能性のある計画」
と見るのが自然です。
事業費は最新計画で1,150億円|古い情報との違いに注意
ネット上では、この再開発の事業費について約790億円という情報も見られます。ただし、これは以前の段階の資料によるものです。
最新の変更事業計画書では、総事業費は約1,150億円となっています。
再開発は、初期計画から内容や事業費が更新されることも少なくありません。
こうした点も、役所資料をきちんと確認することの大切さを示しています。
完成はいつ?|2030年3月の建築工事完了予定
現時点の主なスケジュールは次のとおりです。
2018年7月:都市計画決定
2022年6月:再開発組合設立認可
2024年2月:権利変換計画認可
2025年10月:建築工事着工
2030年3月:建築工事完了予定
2031年3月:事業施行期間終了予定
つまり2026年現在、この再開発は「構想段階」ではなく、すでに工事が進んでいる具体的なプロジェクトです。
まだ分かっていないこともある|マンション名や価格は未公表
現時点で分かっていないこともあります。
たとえば、
- 正式なマンション名称
- 一般販売戸数
- 販売価格
- 販売開始時期
- 共用施設の詳細
- 駐車場の車種別対応
今後、事業者から販売情報が出てきた段階で、はじめてより具体的な商品像が見えてきます。
そのため現時点では、ネット上にある未確認情報を断定的に扱うのではなく、公式資料で確認できる範囲をベースに理解することが大切です。
まとめ|白金一丁目西部中地区再開発は「白金の生活圏をつくり直す計画」
白金一丁目西部中地区再開発を、単に「39階建てのタワーマンションが建つ計画」として捉えるだけでは、この街づくりの本質は見えてきません。
実際には、
- 高層棟
- 中層棟
- B街区の2棟
- 約3,300㎡の広場
- 商業機能
- 子育て支援施設
- 工場機能
- 道路整備
- 無電柱化
白金高輪駅前で進んできた再開発の流れが、今度は白金商店街や既存住宅街の側へ広がっていく。
そう考えると、このプロジェクトは白金高輪にとって非常に大きな意味を持つ再開発だといえます。
今後、マンション名称や販売価格、商品企画などが明らかになれば、白金高輪エリアの住宅市場に与える影響もより具体的に見えてくるはずです。
Anseraでは今後も、白金一丁目西部中地区再開発について、新しい情報が公表され次第、分かりやすく整理してお伝えしていきます。
