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港区の街

赤坂溜池地区再開発で溜池山王はどう変わる?2033年完成予定の再開発を徹底解説

港区赤坂一丁目で進む「赤坂溜池地区第一種市街地再開発事業」を詳しく解説。高さ約155m・2033年度竣工予定の計画概要、溜池山王駅との地下接続、赤坂インターシティAIRや虎ノ門との都市動線、高級賃貸・不動産市場への影響までAnseraが分析します。

港区赤坂一丁目、溜池交差点の南東側で進む「赤坂溜池地区第一種市街地再開発事業」。
2026年9月2日、港区議会の建設常任委員会に「赤坂溜池地区地区計画の決定(案)」および「赤坂溜池地区第一種市街地再開発事業の決定(案)」が報告され、計画は都市計画決定に向けた具体的な段階へ進んでいます。

赤坂溜池地区再開発で溜池山王はどう変わる?2033年完成予定の再開発を徹底解説の参考画像

計画されている建物は、最高高さ約155m、地上26階・地下3階、延床面積約102,700㎡。オフィスを中心に、店舗や文化・交流施設などを備える大型複合開発です。

赤坂溜池地区再開発の計画概要

現時点で公表されている主な計画は以下の通りです。

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なお、2026年3月に公表された環境影響調査計画書では「2029年度新築工事着手」とされていましたが、2026年9月2日の港区最新資料では「2028年度計画建物着工」とされています。現時点では、より新しい9月資料を基準に見るのが適切です。

一番大きく変わるのは「溜池山王駅」

今回の再開発で最も重要な変化の一つが、溜池山王駅周辺の歩行環境です。計画地は六本木通りと外堀通りが交わる溜池交差点に面し、東京メトロ銀座線・南北線の溜池山王駅に近接しています。

一方で現状は、溜池山王駅9番出入口付近の通勤時間帯の混雑、赤坂一丁目・虎ノ門方面へのバリアフリー動線不足、溜池交差点での歩行者と自動車の交錯、歩行者の滞留スペース不足などが課題となっています。

今回の再開発では、こうした課題の改善が計画されています。特に重要なのが、溜池山王駅と再開発施設を一体化する新たな地下空間です。

約2,500㎡の「地下鉄連絡広場」を新設

計画では、約2,500㎡の地下鉄連絡広場を整備する予定です。地下レベル約600㎡、地上レベル約1,150㎡、デッキレベル約750㎡で構成され、溜池山王駅へ接続する有効幅員約3.5m・延長約150mの地下鉄連絡通路も新設されます。

つまり完成後は、「駅の近くにビルがある」のではなく、「再開発施設そのものが駅空間の一部になる」と考えた方が近いでしょう。

さらに今回の計画では、歩行者ネットワークを地下・地上・デッキの3層で構成します。地下は駅との接続、地上は広場や歩道状空地、デッキは周辺街区への接続という役割です。南側では既存の「赤坂インターシティAIR」方面へ歩行者デッキを延ばす計画となっています。

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赤坂インターシティAIRとつながる意味

この再開発を理解するうえで重要なのが、すぐ南側にある「赤坂インターシティAIR」です。

赤坂インターシティAIRは2017年に竣工した、地上38階・高さ約205m、延床面積約178,000㎡の大型複合施設で、オフィスだけでなく商業・住宅・約5,000㎡の緑地などを備えています。

今回の赤坂溜池地区は、このAIRと歩行者デッキ等で連携する計画です。そのため完成後は、
溜池山王駅 → 赤坂溜池地区 → 赤坂インターシティAIR
が一体的な都市空間として利用される可能性があります。

単独のオフィスビルというより、既存の大規模再開発を北側へ拡張する計画と見ると理解しやすいです。

さらに南には虎ノ門がある

赤坂一丁目から虎ノ門にかけては、赤坂インターシティAIR、アークヒルズ、The Okura Tokyo、虎の門病院、虎ノ門アルセアタワー、虎ノ門ヒルズなど、国際企業・ホテル・病院・商業・住宅の大型施設が連続しています。

今回の計画地はその北側に位置します。つまり2033年に向けて、溜池山王 → 赤坂一丁目 → 虎ノ門 → 六本木一丁目という国際ビジネスゾーンが、さらに一体化していくことになります。

港区が掲げる「大街区の玄関口」

2026年9月の最新資料で、港区は赤坂溜池地区の街づくり目標を、「大街区の玄関口としてふさわしい魅力的な駅まち一体空間の創出と、文化性豊かな国際ビジネス交流拠点の形成」としています。

ここで重要なのが「大街区」という考え方です。赤坂・虎ノ門・六本木一丁目周辺では、個別の建物を単独で開発するのではなく、大規模な都市エリア全体を一つの拠点として形成する街づくりが進められています。

今回の赤坂溜池地区は、その大街区の北側に位置する「玄関口」として整備されることになります。

オフィスだけではなく「文化・交流機能」も整備

建物の中心用途はオフィスですが、単なるオフィスタワーではありません。港区は、国際ビジネス交流拠点にふさわしい高水準の業務機能に加え、国際性・文化性を兼ね備えた都市機能を導入するとしています。

オフィス、店舗、文化・交流施設、広場、イベント空間などを組み合わせ、海外企業や外国人ビジネスパーソンが「働く場所」にとどまらず、人が集まり交流する場所を目指している点が重要です。

公共空間についても、地下鉄連絡広場とは別に約200㎡の広場を新設し、歩行者通路や歩道状空地、デッキレベルの歩行者通路などを整備する計画です。建物の内部だけでなく、駅・交差点・歩道・周辺街区まで含めて再設計する計画となっています。

赤坂と虎ノ門を「緑」でもつなぐ

赤坂・虎ノ門エリアでは以前から「赤坂・虎ノ門緑道構想」が進められています。赤坂インターシティAIR周辺から虎ノ門方面へ、緑豊かな歩行者ネットワークを形成していく構想です。

今回の赤坂溜池地区でも、周辺街区の緑と連続する緑化空間を形成する方針が示されています。将来的には、ビル同士を道路でつなぐだけでなく、緑・広場・デッキ・地下通路を通じて歩ける街へと変わっていく可能性があります。

実は住宅は計画されていない

ここからが、不動産市場を見るうえで重要なポイントです。

今回の赤坂溜池地区の主な用途は、オフィス、店舗、文化・交流施設などで、現時点の公式計画では住宅は主要用途に含まれていません。

これは六本木五丁目西地区や麻布台ヒルズのように、大量の高級住宅を供給する再開発とは性格が大きく異なります。

むしろ住宅市場への影響を考えるときには、「新しい住宅を供給する再開発」ではなく、「住宅需要を生み出す再開発」として見る必要があります。

「住宅供給なし+オフィス供給」は高級賃貸にプラスとなる可能性

再開発によって新しいオフィスが供給され、国内外の企業が入居すれば、新たな勤務人口が発生します。特にこのエリアは、大使館、外資系企業、政府機関、ホテル、国際的なビジネス施設が集積する地域です。

そこで働く経営者、役員、外国人エグゼクティブの住宅需要が周辺へ波及する可能性があります。一方で、今回の再開発では住宅自体は供給されません。

つまり、「働く人は増える可能性があるが、住戸供給は増えない」という構造になります。

この点は、周辺の高級賃貸市場にとって注目すべき材料です。

Anseraが注目すべき住宅エリア

赤坂溜池地区の完成によって影響を受けやすいのは、再開発の真正面だけではありません。

特に注目したいのは、赤坂一丁目・六本木一丁目・虎ノ門・赤坂二丁目です。

周辺には、赤坂AIRレジデンス、赤坂溜池タワーレジデンス、アークヒルズ仙石山レジデンス、HOMATシリーズなど、外国人エグゼクティブや法人契約との相性が高い高級レジデンスがあります。

特に100㎡超、月額賃料80万円〜100万円以上の高級賃貸は、外資系企業・経営者・法人社宅需要の影響を受けやすい市場です。

赤坂一丁目という住宅地の評価も変わる可能性

「赤坂」というと、赤坂駅・赤坂見附駅周辺の繁華街をイメージする人も少なくありません。

しかし赤坂一丁目は性格が異なります。周辺にはアメリカ大使館、首相官邸、The Okura Tokyo、アークヒルズ、赤坂インターシティAIR、溜池山王駅、虎ノ門などがあり、繁華街としての赤坂というより、「国際ビジネス・外交・高級住宅」の赤坂という側面が強い地域です。

赤坂溜池地区が完成すれば、このポジショニングはさらに明確になる可能性があります。

虎ノ門・六本木一丁目との境界がさらに薄くなる

今後の東京では、駅名や町名だけで高級住宅市場を区切ることが難しくなっていくと考えます。

赤坂一丁目、六本木一丁目、虎ノ門二丁目、虎ノ門四丁目は行政上は別の町ですが、実際の富裕層や外国人エグゼクティブの生活圏として見れば、徒歩・車で数分圏内の一つの都市エリアです。

今回の再開発によって地下・地上・デッキの歩行者ネットワークが改善すれば、この境界はさらに薄くなるでしょう。

不動産市場でも、将来的には「赤坂のマンション」「虎ノ門のマンション」ではなく、「赤坂・虎ノ門国際ビジネス圏の住宅」という評価軸が強くなる可能性があります。

売買市場にはどう影響するのか

売買市場については、「再開発だから周辺マンション価格が上昇する」と断定するべきではありません。

不動産価格には、金利、景気、円相場、外国人需要、新築供給、建物の築年数、眺望、管理状態など多数の要因が影響します。

ただし再開発によって、交通利便性、街のブランド、オフィス集積、歩行環境、国際企業の集積が改善すれば、周辺住宅にとってプラス要因になる可能性があります。

特に赤坂一丁目は今後、「溜池山王に近い住宅」から「赤坂・虎ノ門国際ビジネス圏に位置する住宅」という説明がしやすくなるでしょう。

2028〜2033年の工事リスクには注意

再開発には当然デメリットもあります。

最新資料では2028年度の建物着工、2033年度の竣工が予定されており、数年間にわたり大規模工事が続くことになります。

計画地に近い住宅では、工事騒音、振動、工事車両、歩行者動線の変更、景観変化、完成後のビル風、眺望への影響などを確認する必要があります。

そのため周辺物件を売買・賃貸する際には、「完成後のメリット」と「工事期間中のデメリット」を分けて説明することが重要です。

再開発をメリットだけで説明するのは適切ではありません。

Anseraが考える、この再開発の本当の意味

赤坂溜池地区は、六本木五丁目西地区や麻布台ヒルズほど巨大な再開発ではありません。高さ約155mという数字だけを見ても、現在の港区では突出した超高層建築ではありません。

それでも、この再開発は重要です。

理由は「高さ」ではなく「場所」にあります。

計画地は、霞が関、永田町、赤坂、虎ノ門、六本木一丁目のほぼ中央にあります。そして周辺ではすでに大型再開発が進み、都市機能が連続し始めています。

今回の再開発によって、その北側の玄関口である溜池山王駅まで都市空間が再整備されることになります。

つまりこの計画は、「赤坂に新しいビルを一つ建てる」のではなく、「赤坂・虎ノ門・六本木一丁目を一つの国際ビジネス圏として完成に近づけるプロジェクト」と考える方が、その意味を理解しやすいでしょう。

今後注目したい5つのポイント

今後、この再開発について特に確認していきたいのは、①正式な都市計画決定と事業スケジュール、②オフィステナント、③文化・交流施設の具体的内容、④溜池山王駅との接続方法、⑤周辺高級賃貸の賃料・空室率です。

特に重要なのがオフィステナントです。どの企業が入居するかによって、周辺の法人社宅や外国人役員向け高級賃貸への影響を、より具体的に分析できるようになります。

結論|注目すべきは「155mのタワー」ではなく「溜池山王が大街区の玄関口になること」

赤坂溜池地区再開発について、高さ約155mの大型タワーという点だけを見ても、このプロジェクトの本質は分かりません。

最大の変化は、溜池山王駅と街が一体化し、赤坂一丁目・虎ノ門・六本木一丁目へ向かう都市動線そのものが変わることです。

さらに今回の再開発では、大規模なオフィスや文化・交流機能が整備される一方、新たな住宅供給は現時点で計画されていません。

そのため高級住宅市場では、新築住宅の供給による影響よりも、外資系企業・経営者・外国人エグゼクティブなどの住宅需要を生み出す再開発になる可能性に注目すべきだとAnseraでは考えています。

2033年に向けて、赤坂・虎ノ門・六本木一丁目はさらに一体化していきます。今後もAnseraでは、再開発そのものだけでなく、その変化が周辺の高級住宅の売買価格・賃料・法人需要にどのような影響を与えるのかまで継続して追っていきます。

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