ANSERA JOURNAL
高額マンション売却戦略
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港区高級賃貸は高く貸すより早く決める──月70万円の空室損失と賃貸管理戦略
00 今日のテーマ:「高く貸す」より「年間でいくら残るか」を見る 01 東京23区の賃料は上昇中。ただし、借主の選別も強まっている 02 月70万円の物件で見る:3カ月空室になると年間150万円の差が出る 03 2年契約で見ても、2カ月以上空くと適正賃料の方が有利になりやすい 04 高く出してから下げる戦略は、必ずしも有利ではない 05 港区高級賃貸で空室が長引きやすい物件の特徴 06 賃貸管理で大切なのは「最高賃料」ではなく「最終的な手残り」 07 まとめ:港区高級賃貸は「空室を損益で見る力」が重要
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0.今日のテーマ:「高く貸す」より「年間でいくら残るか」を見る
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港区の高級賃貸市場では、ここ数年、賃料の上昇が続いています。
六本木、麻布十番、赤坂、虎ノ門、白金高輪、芝浦、浜松町周辺でも、以前より高い賃料で募集される物件が増えています。
ただし、ここで注意したいのは、
「相場が上がっている」=「どの物件でも強気賃料で決まる」
ではないという点です。
特に月額50万円、70万円、100万円を超えるような港区の高級賃貸では、1カ月空くだけで損失額が大きくなります。
月70万円の物件なら、1カ月空室になるだけで70万円の賃料収入が失われます。
月100万円の物件なら、1カ月で100万円です。
そのため、賃貸経営で本当に大切なのは、
「いくらで募集したか」
ではなく、
「何カ月で決まり、年間でいくら収入が残ったか」
です。
今回は、港区高級賃貸の空室損失を具体的な数字で整理しながら、オーナー様が賃貸募集・賃貸管理で見るべきポイントをまとめます。
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1.東京23区の賃料は上昇中。ただし、借主の選別も強まっている
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2026年現在、東京23区の賃貸マンション市場は、全体としては強い状態が続いています。
アットホーム株式会社が公表した2026年5月の募集家賃動向では、東京23区の賃貸マンション平均募集家賃は、面積帯別に以下の水準となっています。
30㎡以下:約11.3万円
30〜50㎡:約18.1万円
50〜70㎡:約25.7万円
70㎡超:約41.3万円
また、東京23区ではシングル向き・カップル向き・大型ファミリー向きが2015年1月以降の最高値となり、シングル向きは24カ月連続、カップル向きは12カ月連続で最高値を更新しています。
この数字だけを見ると、オーナー様としては、
「今なら少し高めに出しても決まるのでは」
「周辺も上がっているなら、自分の物件も上げたい」
と考えたくなるはずです。
その感覚自体は間違っていません。
ただし、港区の高級賃貸では、借りる側の目線もかなり厳しくなっています。
特に、
70万円以上の2LDK、3LDK
100万円以上のファミリー向け住戸
駅距離や眺望に対して賃料が高い物件
駐車場が確保できない高額住戸
設備や内装が賃料水準に追いついていない物件
は、相場上昇局面でも成約まで時間がかかることがあります。
つまり、今の賃貸市場は、
「安くしないと決まらない市場」
ではありません。
しかし同時に、
「高く出せば何でも決まる市場」
でもありません。
港区高級賃貸では、賃料上昇の波に乗れる物件と、強気に出しすぎて空室期間が伸びる物件の差が広がっています。
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2.月70万円の物件で見る:3カ月空室になると年間150万円の差が出る
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では、実際にどのくらい空室損失が出るのか。
月額70万円で募集した場合と、月額65万円で早期成約した場合を比較します。
前提は以下です。
強気募集:月額70万円
適正募集:月額65万円
差額:月5万円
比較期間:募集開始から1年間
まず、月額70万円で募集し、3カ月空室が続いた場合です。
70万円 × 9カ月 = 630万円
一方、月額65万円で募集し、すぐに入居が決まった場合です。
65万円 × 12カ月 = 780万円
この場合、年間収入の差は、
780万円 − 630万円 = 150万円
になります。
つまり、月5万円高く貸そうとした結果、3カ月空いてしまうと、年間では150万円も収入が少なくなるということです。
これはかなり大きいです。
オーナー様から見ると、月70万円と月65万円の差は「たった5万円」に見えるかもしれません。
しかし、空室期間が発生すると、話は変わります。
月5万円の賃料差よりも、1カ月70万円の空室損失の方がはるかに大きいからです。
高く貸すことが目的になりすぎると、本来得られたはずの収益を失ってしまうことがあります。
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3.2年契約で見ても、2カ月以上空くと適正賃料の方が有利になりやすい
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賃貸は1年ではなく、2年契約で考えるべきではないか。
これは正しい見方です。
では、2年契約で見た場合はどうなるか。
同じく、
強気募集:月額70万円
適正募集:月額65万円
で比較します。
まず、月額70万円で1カ月空室になった場合です。
70万円 × 23カ月 = 1,610万円
月額65万円で即成約した場合は、
65万円 × 24カ月 = 1,560万円
この場合は、月額70万円で1カ月空室でも、2年間では50万円ほど高くなります。
つまり、1カ月程度で決まる見込みがあるなら、強気募集にも一定の合理性があります。
しかし、2カ月空室になるとどうでしょうか。
70万円 × 22カ月 = 1,540万円
65万円 × 24カ月 = 1,560万円
この時点で、月額65万円で即成約した方が20万円有利になります。
さらに3カ月空室になると、
70万円 × 21カ月 = 1,470万円
65万円 × 24カ月 = 1,560万円
差額は90万円です。
ここに、
広告費(AD・業務委託料等)
フリーレント
内覧対応の長期化
設備不具合の発生リスク
空室中の管理費、修繕積立金、ローン支払い
次の募集タイミングを逃すリスク
まで加えると、実質的な差はさらに広がります。
つまり、高めに募集すること自体が悪いわけではありません。
問題は、
「何カ月以内に決まる前提で、その賃料を設定しているのか」
です。
この前提がないまま高く出してしまうと、オーナー様の収益はむしろ下がってしまいます。
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4.高く出してから下げる戦略は、必ずしも有利ではない
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賃貸募集では、
「最初は高めに出して、反響がなければ下げればいい」
という考え方もあります。
もちろん、物件によってはこの戦略が有効な場合もあります。
ただし、港区の高級賃貸では、注意が必要です。
なぜなら、高額賃貸を探している借主は、日々ポータルサイトや仲介会社から提案される物件を比較しているからです。
最初に相場より高く出しすぎると、
検討候補から外れる
仲介会社が積極的に紹介しづらい
・掲載期間が長くなり、貸し残り感が出る
・値下げ後も新鮮さが薄れる
・結果としてさらに条件交渉が入りやすくなる
という流れになることがあります。
特に高級賃貸では、借主側も法人契約、役員社宅、外資系、海外駐在員、富裕層ファミリーなど、比較的情報感度の高い層が多くなります。
この層は、単純に「高い物件が良い」とは考えません。
賃料に対して、
広さ
眺望
駅距離
築年数
駐車場
ペット可否
共用施設
管理状態
内装コンディション
法人契約のしやすさ
英語対応や入居後サポート
を冷静に比較します。
そのため、募集開始時の価格設定を間違えると、後から賃料を下げても、初動の機会損失を取り戻せないことがあります。
高く貸すことを狙うなら、最初から「高くても選ばれる理由」を整理しておく必要があります。
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5.港区高級賃貸で空室が長引きやすい物件の特徴
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港区の高級賃貸でも、すべての物件がすぐ決まるわけではありません。
空室が長引きやすい物件には、いくつか共通点があります。
例えば、
賃料に対して面積がやや狭い
駅距離があるのに、駅近物件と同じ水準で募集している
眺望が抜けないのに、眺望の良い住戸と同じ賃料で出している
築年数に対して室内リフォームが不足している
駐車場が確保できない
ペット不可で、ファミリー層の選択肢から外れやすい
写真や図面が弱く、物件の良さが伝わっていない
法人契約、外国籍、英語対応などの受け入れ条件が整理されていない
といったケースです。
反対に、強気賃料でも決まりやすい物件には、明確な理由があります。
例えば、
東京タワービュー、浜離宮ビュー、湾岸ビューなど眺望に強みがある
駅徒歩5分以内で生活利便性が高い
駐車場が確保できる
100㎡前後以上で、都心ファミリーの需要に合う
ペット飼育可能
室内コンディションが良い
家具付き、家電付き、短期相談など柔軟性がある
法人契約や海外籍の受け入れに慣れている
管理対応が早く、入居後の不安が少ない
つまり、高級賃貸では「港区だから高く貸せる」のではありません。
港区の中でも、借主が納得できる理由がある物件が選ばれます。
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6.賃貸管理で大切なのは「最高賃料」ではなく「最終的な手残り」
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賃貸管理会社に求められる役割は、ただ高い賃料で募集することではありません。
本当に大切なのは、
いくらで募集するか
どの層に見せるか
何日以内に決める計画か
反響がなければいつ見直すか
広告費やフリーレントを使うべきか
法人契約や海外籍に対応するか
入居後の管理まで安定して回せるか
を含めて、オーナー様の最終的な手残りを最大化することです。
Anseraでは、港区高級賃貸の募集を考える際、最初に3つのシナリオで整理することが重要だと考えています。
1つ目は、強気賃料シナリオです。
相場よりやや高めに出し、1カ月以内に決まれば成功。
ただし、反響が弱い場合は早めに見直す前提で設定します。
2つ目は、標準賃料シナリオです。
周辺成約事例や競合物件と比較して、もっとも成約可能性が高い価格帯です。
空室期間を抑えながら、安売りしすぎないバランスを取ります。
3つ目は、早期成約シナリオです。
空室期間を最小化したい場合や、ローン返済・管理費負担が大きい場合に検討します。
賃料を少し抑えてでも、早く優良入居者を確保する考え方です。
この3つを事前に持っておくと、募集後の判断がブレにくくなります。
例えば、
募集開始から1週間:反響数、内覧希望、仲介会社の反応を確認
2週間反響が弱い:写真、掲載文、条件、賃料のどこに問題があるか確認
30日経過して申込なし:賃料または募集条件を見直す
45日以上空室:損益計算をやり直し、早期成約優先へ切り替える
というように、時間軸で判断することが大切です。
何となく高く出し続けるのが、一番危険です。
空室は、毎日少しずつ収益を削っていきます。
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7.まとめ:港区高級賃貸は「空室を損益で見る力」が重要
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港区の高級賃貸市場は、全体としては強い状態が続いています。
東京23区の賃料は上昇しており、港区でも法人契約、富裕層ファミリー、海外駐在員、役員社宅などの需要はあります。
しかし、それでも強気すぎる募集は危険です。
月70万円の物件を3カ月空けると、
70万円 × 9カ月 = 630万円
月65万円で即成約すれば、
65万円 × 12カ月 = 780万円
年間で150万円の差が出ます。
2年契約で見ても、月70万円の物件が2カ月以上空くと、月65万円で早く決めた方がグロス収入で有利になるケースがあります。
つまり、賃貸経営では、
「高く募集すること」
と
「高く収益を残すこと」
は同じではありません。
港区高級賃貸のオーナー様に必要なのは、
今の相場を正しく見ること
競合物件と比較すること
空室期間を金額で把握すること
高く貸せる理由を整理すること
反響に応じて早く判断すること
優良入居者を確保し、入居後の管理まで安定させること
です。
高級賃貸ほど、1カ月の空室損失は大きくなります。
だからこそ、賃貸管理では「最高賃料」だけを追うのではなく、空室期間、成約賃料、入居者属性、契約条件、管理対応まで含めて、最終的な手残りを最大化する視点が重要です。
港区のマンションを貸す場合は、単に相場より高く出すのではなく、
「この賃料で、何日以内に、どの層に決めるのか」
まで設計してから募集を始めること。
それが、これからの港区高級賃貸における賃貸管理の重要な考え方だと考えています。
掲載内容は公開・更新時点の情報です。募集条件、施設情報、交通情報等は変更される場合があります。
