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市況・マーケットレポート

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株式会社Ansera

ファミリー賃料が前年比+11.7P──東京23区「60〜100㎡」の強さが示す、港区1〜20億マンションの“貸す・売る・持つ”再設計

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0.今日のテーマ:売買の議論より先に、「家賃が上がる住戸」を見極める
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金利や価格の話は目立ちますが、港区オーナーにとっては「家賃が上がる局面」そのものが、出口設計(売る・貸す・持つ)を変えます。
特に今回は、東京23区でファミリー(60〜100㎡)の賃料インデックスの伸びが大きいことがポイントです。

結論はシンプルで、

家賃が上がる住戸は、売却の判断を急がず“賃貸で手残りを作る”選択肢が強くなる

家賃が上がりにくい住戸は、売却のタイミングを逃すと「価格は強いのに収益が弱い」状態に陥りやすい


という二極化です。

今日は、データでこの流れを確認し、港区の価格帯別(1〜2億/2〜5億/5〜20億)に落とし込みます。

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1.データで見る:東京23区は賃料上昇、特にファミリー(60〜100㎡)が強い
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直近の整理ポイントは2つです。

(1)東京23区の賃料は上向きが継続

2025年第3四半期の平均成約賃料㎡単価(東京23区)


 マンション:前年比+7.8%(前年超えが継続)
 アパート:前年比+4.3%

(2)マンション賃料インデックスは、ファミリーが突出
(東京23区・2025年第3四半期)

シングル(18〜30㎡):前年比+7.6P(前期比+1.5P)

コンパクト(30〜60㎡):前年比+6.9P(前期比+1.7P)

ファミリー(60〜100㎡):前年比+11.7P(前期比+5.1P)



ここから読み取れるのは、
「広めの住戸(60〜100㎡)に、賃料を押し上げる需要が集中している」
という事実です。

港区の実務に置き換えると、

70〜95㎡の2LDK〜3LDK

法人契約(役員・外資・士業・駐在)

教育環境や生活導線を重視する都心ファミリー


が、賃料を支えている局面と言えます。

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2.「階層別構造変化」──賃料上昇は、港区1〜2億/2〜5億/5〜20億で効き方が違う
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同じ“家賃上昇”でも、港区では価格帯によって効き方が変わります。

1億〜2億円帯


 需要の中心はDINKS・単身富裕層・法人。賃料は上がりやすいが、面積が50〜70㎡中心のため「ファミリー指数の伸び」を丸ごと享受しづらい。
 ただし、駅近・築浅・管理良好は賃料改定が通りやすい。

2億〜5億円帯


 70〜110㎡が多く、まさに“ファミリー賃料の伸び”の恩恵を受ける中核ゾーン。
 賃貸で手残りを作れるかどうかで、売却判断が大きく変わる。

5億円以上


 賃料は上がっても、賃料利回りより「希少性・資産保全」が主目的になりやすい。
 ただし、100〜200㎡のプレミアム住戸は、賃貸の出口(海外富裕層・法人)を作れると保有の納得感が上がる。

この構図を前提に、各レンジの打ち手を具体化します。

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3.港区1〜2億レンジ:賃料改定は“更新で小さく、再募集で大きく”
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このゾーンは、賃貸に回す場合の勝ち筋が明確です。

更新時:上げ幅は小さく現実的に


 更新は「上げたい気持ち」より「退去リスク」を優先して設計します。
 市場が強いほど、更新で無理に上げ過ぎると退去→空室期間→総手残りが落ちやすい。

再募集時:賃料を取りにいく


 再募集は、賃料を引き上げやすい局面です。
 そのため、オーナー側の実務は
 (1) 次の募集賃料の上限を先に決める
 (2) その賃料を正当化する内装・設備・清掃・写真を整える
 (3) 法人契約で“入居審査が速い導線”を作る
が重要になります。

売却との比較では、

「賃料が想定より取れる」なら、売却は急がず“時間を味方にする”

「賃料が伸びない(立地・眺望・管理状態で負ける)」なら、売却の旬を逃さない


が判断軸になります。

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4.港区2〜5億レンジ:ファミリー賃料上昇の中心地。やるべきは“賃料の設計”と“原状回復の最適化”
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このゾーンは、今回のテーマのど真ん中です。
60〜100㎡の賃料が強いなら、港区2〜5億は「賃貸で持つ」が成立しやすくなります。

重要なのは、“家賃が上がる”を待つのではなく、オーナー側が取りにいく設計をすることです。

(1)募集賃料の上限を、相場でなく「比較される競合」で決める
同じエリア・同じ広さでも、

眺望が抜けるか

学校・生活導線(スーパー、病院、送迎)の相性

共用部の格、コンシェルジュ、セキュリティ

駐車場の条件


で、比較対象が変わります。
賃料は“相場平均”より、“競合に勝てるか”で決まります。

(2)原状回復は「原価」ではなく「賃料差」で意思決定する
例:

壁紙全面張替や水回り清掃で、月額が3万円上がるなら、


 年間36万円、2年で72万円。
 工事が30〜50万円なら合理的、という判断になります。
逆に、費用がかかるのに賃料が上がらない箇所は、投資対象から外します。

(3)ターゲットを絞る(ここがブレると賃料は取れない)
港区70〜100㎡は、主に

法人契約(役員・外資・駐在)

子育て都心ファミリー

セカンドハウス(実需寄り)


に分かれます。
ターゲットごとに「刺さる条件」が違うため、
募集図面、設備、家具提案、入居時の柔軟性まで一貫させます。

売却戦略としては、

賃貸で手残りが作れる物件:売却は“価格の天井当て”より“選ばれるタイミング待ち”

賃貸で伸びない物件:売却は“値崩れ前に出口を作る”


が合理的です。

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5.港区5〜20億レンジ:家賃上昇は追い風だが、主戦場は「希少性」と「出口の多重化」
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このレンジは、賃料利回りを追うと判断を誤りやすいです。
一方で、賃貸の出口を作れると、保有の納得感が一段上がります。

ポイントは2つです。

(1)賃貸の出口を複線化する

国内富裕層

外資法人(役員住宅)

海外富裕層(短期〜中期)


どこに刺さる仕様かを先に決め、募集導線と条件を整えます。

(2)売却の出口も複線化する

日本人富裕層

海外買主

法人(資産管理会社)


に向けて、英語資料、家具付き、引渡し条件など“売り方のパッケージ”を準備します。

賃料上昇はあくまで追い風で、最終的には「代替不能性(眺望、希少間取り、ブランド、管理)」が価格を支えます。
その代替不能性を、賃貸と売却の両方で説明できる状態が理想です。

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6.まとめ:ファミリー賃料が強い局面は、「売却の議論」を一度止めて、賃貸の数字を先に置く
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今回のデータが示すのは、
東京23区で賃料が上向きで、特にファミリー(60〜100㎡)が強い、という事実です。

港区オーナーの次の一手は、
1)自分の住戸が、賃料上昇の恩恵を受けるサイズ帯(60〜100㎡)に入るか
2)入るなら、更新と再募集で「賃料を取りにいく設計」ができるか
3)入らないなら、賃貸に固執せず売却の旬を逃さないか
を、順番に整理するのが最短です。

特に2〜5億レンジは、ファミリー賃料の強さが最も効くゾーンです。
“家賃が上がるから持つ”ではなく、
“上がる構造を使って、手残りを作り、売却の主導権を握る”
これが今の合理的な考え方です。


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