ANSERA JOURNAL
市況・マーケットレポート
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金利上昇下で何が変わったか──東京中古マンション市場の「構造変化」と港区1〜20億マンションの立ち位置
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0.今日のテーマ:平均価格では見えない「構造の変化」を港区目線で整理する
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2025年〜2026年にかけて、東京の中古マンション市場は「価格は高止まり」なのに「動き方が変わってきた」という少しややこしい局面に入っています。
築浅かつ広めの高額帯(50㎡以上・2006年以降築)の成約割合が減少
一方で、50㎡未満のコンパクト住戸や、築年数を妥協した住戸の成約割合が上昇
東京都は周辺3県よりも価格が独歩高だが、その内部で「階層別の構造変化」が進行
というのが、直近のデータから読み取れる流れです。
今日は、この「構造変化」を整理したうえで、
港区の1〜2億/2〜5億/5〜20億マンションがそれぞれどんな位置にいるのか、
オーナー・購入検討者がどう動くべきかをまとめます。
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1.データで見る:築浅×広めの成約が減り、コンパクト・中価格帯にシフト
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2025年のまとめレポート(東京都・首都圏中古マンション)では、以下のようなポイントが指摘されています。
首都圏全体で、最も坪単価が高い「50㎡以上・2006年以降築」の成約割合が減少
価格高騰と金利上昇が重なり、このセグメントが給与所得者には「容易に手が届かない存在」になりつつある
代わりに「50㎡未満・2006年以降築」や、築古でも価格を抑えた住戸の成約割合が増加
東京都の成約坪単価は67カ月連続上昇、在庫は減少しているが、伸び率は鈍化
つまり、
「都心の築浅・広め・高額帯」は、価格が上がりすぎて実需が一部しり込みし、
「コンパクトだが立地と築年に優れた住戸」「築年を妥協して総額を抑えた住戸」に購入者がシフトしている、という構図です。
平均単価だけを見ると「まだ上がっている」ように見えますが、
その裏側では「どのゾーンが動き、どのゾーンが止まっているか」がはっきり分かれてきています。
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2.「階層別構造変化」──1〜2億・2〜5億・5億以上で何が違うか
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東京都中古マンション市場を価格帯別に分析したレポートでは、1億円以上のゾーンについて次のように整理されています。
1億〜2億円帯
高給与所得者(企業経営者・外資系・医師・士業など)による実需が中心で、「依然として成約数は堅調」。
都心区(千代田・中央・港・渋谷)では、50㎡台で1億円超が“標準価格帯”になりつつある。
2億〜5億円帯
「富裕層と高給与層の中間」に位置するゾーンで、ここ1〜2年で成約件数の伸びが鈍化。
価格に比べて面積やクオリティが見合わない物件が増え、「買いたいけれど納得できない」という状態が起きている。
5億円以上
いわゆる富裕層マーケット。
ここは希少性と資産保全性が重視され、価格よりも「買えるときに買う」スタンスが多く、成約自体は安定的に推移している。
この「1〜2億堅調/2〜5億減速/5億以上は堅調」という構図は、
港区のタワーマンション・高級レジデンスを見ても感覚的に近いものがあるはずです。
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3.港区1〜2億レンジ:50〜60㎡前後は「まだ実需が厚いゾーン」
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港区の1〜2億レンジは、
50〜70㎡前後の1LDK〜2LDK(タワー・高級レジデンス)
40㎡台後半〜50㎡台前半のコンパクト+ハイグレード
といった住戸が中心になります。
この帯は、
年収1,500〜3,000万円クラスの実需層
港区内・城南エリアでの住み替え/職住近接を求めるDINKS
将来賃貸化を見据えた「半投資・半実需」の購入
に支えられており、金利上昇局面でも「買える人はまだ買える」ゾーンです。
ポイントは、
築浅×駅近×50〜60㎡前後は、依然として需要が厚い
ただし、70㎡を超えると一気に2〜3億レンジへ入り、購入ハードルが上がる
投資としては利回りは2%台前半〜中盤にとどまり、「資産性・流動性」が主眼
というバランスです。
オーナー視点では、
売却を考える場合は、「同じ駅・同じ㎡・同じ築年」の1〜2億帯の中でどう見えるか
賃貸で回す場合は、30〜40万円台の賃料レンジでどの層を狙うか(単身エグゼクティブ/DINKS/法人)
を、数字で整理しておくことが重要になります。
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4.港区2〜5億レンジ:中間高級帯は「選ばれる物件とそうでない物件」の差が拡大
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2〜5億レンジは、港区のタワーマンション・高級レジデンスの中核ゾーンです。
70〜80㎡台の2〜3LDKで2億〜3億前後
90〜110㎡台の3LDKで3億〜5億前後
といったイメージで、ファミリー実需・事業オーナー・役員クラスの購入が中心になります。
先ほどのレポートでは、この2〜5億帯について、
価格水準が上がりすぎたことで、購入希望者側の「納得感」が得られにくくなっている
立地や眺望が中途半端な物件は、価格に対して「面積も眺望も物足りない」と感じられやすい
結果として、成約件数の伸びが鈍化し、「選別の時代」に入っている
と整理されています。
港区の実務感覚に落とすと、
真ん中〜下層階で眺望が抜けない2〜3億台の住戸
駅距離や周辺環境がやや中途半端な2〜3LDK
は、売却に時間がかかる・指値が入りやすいゾーンになりつつあります。
逆に、
再開発エリア(虎ノ門・高輪ゲートウェイ周辺など)
白金高輪・麻布十番・広尾・三田などのブランドエリアで、駅近・眺望・管理状態が揃った物件
は、同じ2〜5億レンジでも「選ばれる側」に残ります。
オーナー側の戦略としては、
「2〜5億の中でどの層を狙う物件か」を明確にする
(子ども1〜2人の都心ファミリー/セカンドハウス/インバウンド富裕層など)
売却なら、「買主の納得感」をつくるために、眺望・リフォーム・家具付き販売等も含めてパッケージで考える
購入側は、「価格よりも納得できる面積・眺望・管理状態があるか」を基準に、妥協を急がない
といった方向が現実的です。
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5.港区5〜20億レンジ:富裕層マーケットは「希少性と出口をどう設計するか」
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5〜20億レンジは、ペントハウス・100㎡超のプレミアムフロア・低層ヴィラタイプなどを含む、いわゆる富裕層マーケットです。
データ上も、
東京都の5億円以上の中古マンション成約件数は、年ごとの振れはあるものの総じて安定
株式・仮想通貨などからの資産シフトも背景に、「価格よりも希少性・資産保全」を重視する取引が中心
売り急ぐ動きは限定的で、「買えるタイミングで押さえる」スタンスが多い
と整理されています。
港区の5〜20億帯では、
東京湾・東京タワー・皇居方面など、唯一無二のビュー
レイアウトの自由度が高い100〜200㎡クラスの住戸
ブランドレジデンスの最上階〜高層階
といった「代替不可能性」がものを言います。
ここで重要なのは、
日本国内だけでなく、海外資産も持つオーナーのポートフォリオの中でどう位置づけるか
円ベースの低金利(日本)と、外貨建て資産(海外)のバランスをどう取るか
売却の出口を、日本人富裕層/海外富裕層/法人のどこに見据えるか
といった、グローバル目線の設計です。
短期的な価格の上下よりも、
「どのタイミングでどの通貨ベースで手放すか」
「賃貸運用(数十万〜百数十万円台)と売却のどちらを選ぶか」
を、数年〜10年スパンで考えておくことが求められます。
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6.まとめ:平均単価のニュースではなく、「自分のレンジの構造変化」を見る
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2025〜2026年の東京中古マンション市場は、
東京都の平均単価はまだ上昇
ただし、その裏側で「築浅×広め」の高額帯の比率が低下
価格帯別に「1〜2億堅調/2〜5億減速/5億以上堅調」という階層別構造変化が進行
という、平均値だけでは見えにくい局面にあります。
港区の1〜20億マンションのオーナー・購入検討者にとって重要なのは、
1)自分の物件(または検討物件)が、
1〜2億/2〜5億/5〜20億のどこに属しているか
そのレンジで今、何が起きているか(堅調・減速・二極化)
2)「築浅×広め」であれば、どこまで価格に説得力があるか
面積や眺望に対して、現在の価格水準が市場参加者にどう見えるか
3)売却・賃貸・長期保有、それぞれのシナリオを数字で持っておくこと
売却時の想定価格レンジ
賃貸に回したときの家賃・空室リスク・手残り
保有し続ける場合の金利・修繕・税金の負担
です。
「東京の中古マンションはまだ高い/そろそろ天井」というざっくりした議論ではなく、
自分がいるのは「堅調な1〜2億ゾーン」なのか、「選別が進む2〜5億ゾーン」なのか、「希少性勝負の5〜20億ゾーン」なのか。
そのポジションを冷静に把握したうえで、次の一手(売却・買い増し・賃貸運用・建替え参加など)を考えることが、これからの港区オーナーにとって一番重要な視点だと考えています。
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