ANSERA JOURNAL
市況・マーケットレポート
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「海外居住者が3.5%」という現実──東京23区・都心6区データから見る港区1〜20億マンションへの影響
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0.今日のテーマ:海外居住者3.5%という数字をどう読むか
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国土交通省が2025年11月、新築マンションの取引実態を初めて公表しました。
その中でも注目されたのが「国外に住所がある者による新築マンション取得」の割合です。
東京都全体 :3.0%
東京23区 :3.5%
都心6区 :7.5%(千代田・中央・港・新宿・文京・渋谷)
一方で、東京23区の新築マンションのうち「1年以内に転売された物件」の割合は9.3%、都心6区では12.2%という数字も明らかになりました。
今日は、このデータを「港区1〜20億クラスのタワーマンション・高級レジデンス」の観点から整理します。
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1.国交省の初調査は何を調べたのか
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今回の調査は、2018年1月〜2025年6月に保存登記された約55万戸の新築マンションを対象に、不動産登記情報と価格データを組み合わせて分析したものです。
ポイントは大きく2つです。
1)短期売買(保存登記から1年以内の転売)の実態
2)国外居住者による新築マンション取得の割合
国籍ではなく「住所」で区分しているため、「国外居住の日本人」も含まれますが、海外からの投資・セカンドハウス需要の一端を捉えたデータと見ることができます。
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2.海外居住者3.5%・都心6区7.5%という数字の意味
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2025年上半期のデータでは、海外居住者による新築マンション取得割合は次のようになっています。
東京圏全体 :1.9%(2024年は1.0%)
東京都 :3.0%(同1.5%)
東京23区 :3.5%(同1.6%)
都心6区 :7.5%(同3.2%)
前年からの伸び率を見ると、特に都心6区での増加が目立ちます。
「港区を含む都心の新築マンションでは、10戸に1戸弱が海外居住者」というイメージです。
ただし、裏返せばこうも言えます。
東京23区の約96.5%は国内居住者による取得
都心6区でも約92.5%は国内居住者による取得
ニュースの見出しだけを見ると「外国人が大量に買っている」印象になりがちですが、数字としては「確かに増えているが、まだ3〜7%台」という水準です。
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3.短期売買9.3%と価格帯の関係──2億円未満が中心
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同じ調査では、新築マンションの「短期売買」についても分析しています。
東京23区の短期売買割合 :9.3%
都心6区の短期売買割合 :12.2%
さらに価格帯別に見ると、
短期売買の大半は2億円未満の物件
2億円以上の高額物件では、海外居住者による短期売買はほとんど確認されていない
とされています。
つまり、
「短期での売り抜け」を狙った投機的な動きは、1〜2億未満のゾーンに集中している
2億円以上、とくに港区の5〜20億クラスのプレミアム住戸については、少なくとも現時点では「海外居住者による短期転売」の影響は限定的
というのがデータから読み取れるポイントです。
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4.よくあるイメージと、実際のデータのギャップ
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ここ数年、「高額タワーマンションは外国人が買い占めている」「価格高騰は海外マネーのせいだ」といったイメージが繰り返し語られてきました。
しかし、公表されている統計を見る限り、
東京圏全体で海外居住者による取得は1〜3%台
港区を含む都心6区で7.5%
短期売買全体に占める海外居住者の割合は3%未満
2億円以上の物件で、海外居住者が短期売買を繰り返している明確な傾向は確認されていない
といった状況です。
もちろん、晴海フラッグなど特定の大規模物件では海外居住者比率が4%前後に達した事例もあり、個別プロジェクト単位ではばらつきがあります。
それでも、「全体としての水準」は、世間で語られるイメージほど極端ではないというのが実像に近いと言えます。
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5.港区1〜2億/2〜5億/5〜20億レンジごとの視点
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では、港区の1〜20億クラスのマンションにとって、このデータはどう意味を持つでしょうか。
■1〜2億レンジ(50〜80㎡前後、コンパクト〜ミドル)
短期売買の多くは2億円未満で起きている
その中に海外居住者も一定数含まれていると考えられるが、比率としては少数派
価格形成に影響を与えている主因は、むしろ「国内の投資需要・低金利局面でのレバレッジ投資」である可能性が高い
このレンジのオーナー・購入検討者にとって重要なのは、
「外国人が買っているかどうか」よりも、「短期で転売されがちな物件かどうか」「賃貸実需の厚さ」がポイントになります。
■2〜5億レンジ(70〜120㎡前後、ファミリー〜小さめプレミアム)
都心6区の海外居住者7.5%という数字の恩恵を受けやすいゾーン
(自宅+セカンド+中長期投資の複合ニーズ)
一方で、将来もし規制が強まる場合には、「海外需要にやや依存していた物件」が選別される可能性もある
このレンジでは、「日本人実需・法人・海外」をバランスよく取り込める立地・棟かどうかが、長期的な安定性の鍵になります。
■5〜20億レンジ(100〜200㎡超、プレミアム・ペントハウス)
統計上、短期転売の中心ではなく、海外居住者による短期売買もほとんど確認されていない
都心6区7.5%の中でも、実際には「中価格帯」が中心で、超高額帯はさらに母数が小さい
このレンジは、
為替
各国の税制・規制
富裕層の資産配分トレンド
といったグローバル要因の影響が大きく、統計の%だけでは測れない部分もあります。
ただし少なくとも、「外国人短期転売が価格を支えている」という構図ではないことは押さえておいて良いでしょう。
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6.規制リスクとどう向き合うか
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高市政権の下で、外国人による不動産取得や投機的取引への規制強化が議論されているのは事実です。
今回の調査自体も、「実態をデータで把握したうえで、必要な対策を検討する」ための一歩と位置づけられています。
今後あり得る方向性としては、
国外居住者向けの税制・手数料の見直し
短期売買(1年以内転売)に対する税負担強化
特定エリアでの利用実態のない「まとめ買い」への制限
などが挙げられます。
ポイントは、「規制の矛先がどこに向きやすいか」です。
統計上、短期売買の中心は2億円未満
海外居住者比率は3〜7%台
という事実を踏まえると、政治的には「全体に広く」「価格帯にかかわらず」ではなく、
短期転売を繰り返す取引パターン
一部の大規模プロジェクト
などに焦点を当てる方が現実的です。
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7.港区オーナー・購入検討者が今チェックしておきたいこと
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今回のデータは、「外国人が何%いるか」という数字だけで終わらせるのはもったいない内容です。
港区のマンションオーナー・購入検討者の立場では、次のような観点で自分の物件・検討中の物件を見直すと有用です。
自分の棟は、実需・投資・セカンドのバランスがどうなっているか
短期売買が多い棟かどうか(レインズや周辺の売出履歴で、売り替わりの頻度を確認)
もし海外比率が高い場合、それは「安定した長期保有」なのか「短期取引」なのか
将来、規制が強まった場合に影響を受けやすいプロファイルかどうか
海外居住者比率が高いからといって、必ずしも悪いとは限りません。
賃貸需要の底上げ
グローバルなブランド価値の維持
というプラスの側面もあります。
重要なのは、「自分の一戸がどのような人たちに選ばれている棟の中にあるのか」を把握しておくことです。
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8.まとめ:「3.5%」は不安材料ではなく、前提条件として捉える
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東京23区の新築マンション取得者のうち、海外居住者は3.5%、都心6区では7.5%。
短期売買は23区で9.3%、都心6区で12.2%だが、その大半は2億円未満の物件が占めている。
2億円以上の高額物件で、海外居住者が短期売買を繰り返している明確な傾向は確認されていない。
港区1〜20億クラスのマンションにとって、
「海外居住者比率3〜7%」は、不安材料というより「いまの東京・都心市場を語るうえでの前提条件」に近い数字です。
この前提の上で、
自分の物件がどのレンジ(1〜2億/2〜5億/5〜20億)に属し
どのような買い手層と取引されている棟なのか
将来の規制や市況変化にどの程度さらされやすいのか
を冷静に整理しておくことが、これからの港区マンションと付き合ううえで現実的なスタンスだと考えられます。
港区の高級マンション(1億〜20億)のご相談について
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