ANSERA JOURNAL
市況・マーケットレポート
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2025年 分譲マンション価格高騰の正体──三井不動産リアルティ最新レポートから読む1〜20億クラスの戦い方
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0.今日のテーマ:価格が上がり続ける「理由」を数字で整理する
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「新築は高くなり過ぎている」「中古も1億が当たり前になってきた」──現場でよく聞く言葉ですが、実際に何が起きているのかをデータで整理したのが、三井不動産リアルティのトピックス「2025年分譲マンションの価格高騰とその要因」です。
この記事では、そのレポートと関連データをベースに、
なぜここまで価格が上がっているのか
「外国人」と「短期転売」はどこまで本当に影響しているのか
1〜2億、2〜5億、5〜20億の区分マンションオーナーが今考えるべきこと
を、都心の高額帯にフォーカスして整理します。
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1.レポートの結論:価格を押し上げているのは「供給の少なさ」
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三井不動産リアルティのレポートは、価格高騰の背景として、
用地取得価格の上昇
建築費(人件費・資材)の高騰
なにより「供給の少なさ」
の3点を挙げています。
不動産経済研究所のデータでは、2025年の首都圏新築分譲マンション供給は、当初2万6,000戸と予測されていたものの、実際には2024年と同水準の2万3,000戸台にとどまる見込みです。
コロナ後の特需で需要が戻ったにもかかわらず、「出したくても出せない」状態が続き、新築の希少性が価格を押し上げている構図です。
さらに、
2014年対比で、新規物件の販売坪単価は約173%
既存物件(中古)の成約坪単価は約184%
まで上昇しており、新築・中古ともに、この10年で7割〜8割の値上がりになっていることが示されています。
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2.新築は平均1.3億円、中古も都心は「1億時代」
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新築の水準感としては、不動産経済研究所の発表で、
2025年上半期の首都圏新築マンション平均価格は約1億3,000万円
前年同期比で20%前後の上昇
という数字が出ています。
東京23区に絞ると、平均価格はさらに高く、港区・千代田区・中央区・渋谷区などのタワーマンションでは、3億〜5億クラスの住戸が普通にラインナップされる状況です。
一方、中古についても、
首都圏中古マンションの平均価格は約4,800〜4,900万円
東京23区は2017年対比で2倍以上というデータ
23区の築10年以内の大型ファミリー向きは平均2億円超
といった統計が公表されており、新築だけでなく中古も「高値圏で張りついている」状態が続いています。
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3.価格を押し上げる3つの構造要因
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価格高騰の背景には、短期的なブームではなく、構造的な要因が重なっています。
1)用地取得の競争激化
分譲マンション用地は、賃貸マンションやオフィス・ホテル開発とも競合
再開発候補地は限られており、「立地が良い土地ほど入札競争が激しい」
結果として、用地価格を織り込んだ販売価格にならざるを得ない
2)建築費の高止まり
人件費の上昇、資材価格の高止まり、円安などが重なり、建築コストは下がりづらい
「建てれば売れる」状況でも、採算ラインをクリアできる価格帯でないと事業化されない
3)供給減少と希少立地への偏り
首都圏全体の供給戸数は減少傾向が続いている
その一方で、実際に出てくる案件は「都心・駅近・タワー」など、希少性の高いものが多い
結果として、全体の平均価格が押し上げられている
この3点が同時に進んでいるため、「価格が高いのに、目立って売れ残っている物件は少ない」という、いびつだが強い相場が続いています。
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4.「外国人」と「短期転売」はどこまで本当に効いているのか
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ニュースでは「外国人が都心のマンションを買い占めている」「短期転売が価格を吊り上げている」といった見出しも目立ちますが、三井不動産リアルティのレポートは、国土交通省のデータを引用して次のように整理しています。
外国人(海外居住)の取得比率
東京23区平均 :3.5%
大阪市 :4.3%
京都市 :2.5%
東京都心6区では :7.5%
1年以内の短期売買(転売)の割合
東京23区 :9.3%
大阪市 :7.2%
神戸市 :12.1%
都心6区では外国人比率が7.5%と高めになっているものの、
23区全体で見れば「価格高騰の主犯」と言い切れる水準ではない、というのが実情です。
むしろ、価格上昇局面を見て、
国内の富裕層による相続税対策(マンションの評価圧縮効果)
低金利を背景にしたレバレッジ投資
短期〜中期目線での転売(いわゆるキャピタル狙い)
が重なっていることの方が、影響としては大きいと考えられます。
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5.賃料市場への波及:23区賃料4,866円/㎡と空室率9%台
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この価格高騰は、売買だけでなく賃貸市場にも波及しています。
三井不動産リアルティのレポートによると、
東京23区の分譲マンション賃料相場は、2023年2月に1㎡4,000円を突破
2025年10月時点では、1㎡あたり4,866円に到達
賃貸住宅の空室率は、2024年7月に10%を割り込み、2025年8月には9.04%まで低下
という状態です。
賃料が上がり、空室率が下がっているということは、
持ち家を買いたくても買えない層が賃貸に回っている
高額な家賃でも、都心の便利な立地には需要が集中している
という裏返しでもあります。
1〜20億レンジの区分オーナーにとっては、
売却ではなく賃貸運用を選択しても、今のところはキャッシュフローが組み立てやすい
ただし賃料の上昇ペースはさすがに鈍化していくと見られている
という「強いが、永遠には続かない」局面に入っていると捉えるべきです。
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6.価格帯別に見る「いま考えるべきこと」
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1〜2億レンジ(30〜60平方メートル)
単身〜DINKS、セカンドハウス需要がメイン
新築の価格が上がり過ぎたことで、築10〜20年の都心レジデンスにも買いが入りやすい
出口としては「賃貸で回す」「買い替えで売る」両方を柔軟に選べるゾーン
検討ポイント
周辺の新築・築浅タワーとの賃料差がどの程度あるか
内装リフレッシュに対して、賃料アップがどこまで見込めるか
2〜5億レンジ(60〜90平方メートル)
ファミリー実需と富裕層のセカンドハウス需要が重なるボリュームゾーン
新築の供給減で、中古の「駅近・管理良好・眺望あり」物件は引き続き強い
一方で、再開発エリアの新築タワーが重なるタイミングでは競合も増える
検討ポイント
エリア内での「今後10年の新築供給予定」と「自分の物件の位置付け」を把握する
売却するなら、再開発竣工前後や金利環境の変化を含めたタイミング設計が重要
5〜20億レンジ(100〜200平方メートル)
眺望・階数・角住戸・レジデンスブランドなど、完全に「一点物」に近い世界
価格高騰局面でも、実需+相続・資産防衛ニーズで底堅い
ただし、買い手の母数が少ないため、景気・税制・金利の変化に敏感に反応しやすい
検討ポイント
賃貸に出す場合、賃料の絶対額だけでなく「このエリアでこのスペックの住戸は何戸あるか」を把握する
売却する場合、次の買い手像(国内か海外か、実需か投資か)を明確にイメージし、マーケティング戦略を組む
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7.まとめ:ニュースに振り回されず、「自分の1戸」をどうするか
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三井不動産リアルティのレポートが示す通り、2025年の分譲マンション市場は、
用地取得難と建築費高騰
供給減少と希少立地への偏り
新築・中古ともに過去10年で7〜8割の価格上昇
賃料上昇と空室率低下
という、売り手にとっては強い局面が続いています。
一方で、
外国人購入が全体の主犯というわけではない
短期転売も一部にはあるが、構造要因の方が大きい
今後の価格上昇ペースは、ここ数年ほどの勢いは見込みにくい
という冷静な整理も必要です。
1〜2億、2〜5億、5〜20億。
ニュースの数字ではなく、「自分の1戸がこの相場の中でどの位置にいるのか」を一度棚卸しし、
いま売るのか
賃貸で回しながら待つのか
買い増しや買い替えを検討するのか
中長期のシナリオを準備しておくことが、これからの都心高額マンションオーナーにとって重要になってきます。
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