ANSERA JOURNAL
市況・マーケットレポート
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坪単価1,000万円超えが全国810戸──都心「超高額中古マンション」市場の実態と、オーナー・購入検討者が見るべきポイント
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1.今日のニュース概要──坪1,000万円超の中古が810戸
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不動産ビッグデータを扱うマーキュリーが、2025年1〜5月に流通した中古マンションのうち、
「坪単価1,000万円(1㎡あたり約300万円)以上」の住戸に絞った調査結果を公表しました。
主なポイントは次の通りです。
- 対象期間:2025年1月〜5月末
- 対象:首都圏・関西・東海で1995年以降に分譲された新築マンションの中古取引(投資ワンルーム等は除外)
- 坪単価1,000万円以上の中古住戸:
- 22行政区で **計810戸**
- うち **港区が385戸** と突出
- 次いで中央区93戸、渋谷区81戸、千代田区75戸、新宿区54戸
都心高額帯の中古マンション市場の“熱さ”を数字で示した内容といえます。
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2.坪2,000万円で「30㎡=1億8,000万円」という世界
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調査では、坪単価2,000万円以上の住戸についても分析がされています。ポイントは次の通りです。
- 坪2,000万円超の住戸も、20㎡台〜200㎡超まで幅広い面積帯で存在
- 仮に「坪2,000万円・専有30㎡」とすると、価格はおよそ **1億8,000万円**
- つまり、「高額=広い部屋」ではなく、「コンパクトでも単価が極端に高い」住戸が増えている*
以前は「10億円」「坪1,000万円」と聞くと、最上階のペントハウスだけが思い浮かぶ世界でしたが、
今は **30〜70㎡クラスの“コンパクト〜中型”住戸でも超高額帯に入ってくる** のが現実です。
- 30〜40㎡:1〜2億円台
- 70〜100㎡:3〜6億円台
- 100㎡超:5〜10億円超
というレンジ感で、「1〜2億」「2〜5億」「5〜10億+」がタテに重なっているイメージを持っておくと、現在の相場感を掴みやすくなります。
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3.「超高額=ほぼタワーマンション」という構図
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坪1,000万円以上の住戸のうち、各物件で最も単価が高かった住戸をランキングすると、
上位の大多数がタワーマンションという結果でした。
- 上位10物件のうち、タワー以外は
- 三田ガーデンヒルズ
- パークマンション三田綱町ザ・フォレスト
の2物件のみ
- それ以外はすべてタワーマンションが占める
つまり、
「坪1,000万円超え」「10億円超え」といったニュースの多くは、ほぼ都心タワーマンションの話である
ということが、データからも裏付けられています。
共用施設の充実、免震・制震構造、フロントサービスなど“ハード+ソフト”両面の付加価値に加え、
国内外の富裕層からの需要の厚さ・流動性の高さも、タワーマンション価格を押し上げる要因とされています。
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4.10億円超の中古住戸が「特別ではなくなりつつある」現実
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調査では、「1戸あたりの価格」に注目した分析も行われています。
- 坪単価ランキング上位30物件のうち、
最高流通価格が10億円を超える住戸が14物件(約半数)
- マーキュリーの新築データベース(Realnetマンションサマリ)で見ると、 1995年以降に「10億円以上」で分譲された新築住戸は、
27物件・50住戸しかない
これを組み合わせると、
- かつては「極めて限られたペントハウス」だけの世界だった10億円住戸が
- 中古市場では、タワー上層階を中心に一定数見られる水準まで増えている
という構図が浮かび上がります。
10億円という価格帯そのものが“象徴的な節目”ではなくなりつつある
と捉えておいた方が、現在の都心マーケットの感覚に近いと言えます。
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5.売却を検討しているオーナーが押さえたい3つの視点
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今回のデータは、「売る側」にとっても重要なヒントになります。
(1)自分の物件が「単価なのか、総額なのか」を把握する
- 坪1,000万円台の“コンパクト高単価”なのか
- 坪70〜80万円台だが、200㎡超で“総額10億円”なのか
で、ターゲット層も出口戦略も変わります。
「総額」と同じくらい「坪単価(1㎡単価)」を整理しておくことが重要です。
(2)タワー相場に引っ張られているのか、独自の強みなのか
- タワーマンション上層階で、「タワー相場+希少プラン」として評価されているのか
- 低層レジデンスやガーデンヒルズ系で、タワーとは異なる文脈のプレミアム を持っているのか
同じ港区・同じ価格帯でも、
「何に対してプレミアムが付いているのか」を言語化しておくと、査定や売り出し戦略が組みやすくなります。
(3)今の“超高額ゾーン”が周辺相場に与える影響
マーキュリーの分析では、
> 極端に高い価格が一部エリア・物件でつくと、
> 隣接エリア・類似スペックの物件にも波及し、
> 広い範囲で相場の底上げにつながる
と指摘されています。
つまり、坪1,000万円を超えていない物件でも、
「そのエリア・ブランドが超高額帯を持っている」こと自体が、下位ラインの支えになっていると考えられます。
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6.購入検討者にとっての「リスク」と「納得ライン」
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一方、購入を検討している側から見ると、今回のデータは次のような問いを突きつけます。
(1)自分は「単価」と「総額」のどちらで上限を決めるか
- 1㎡あたり300万円(坪1,000万円)を**心理的な上限**にするのか
- 3億・5億・10億といった**総額ベースの上限**で考えるのか
どちらの軸で上限を決めるかによって、選べるマンション・階数・眺望が大きく変わります。
(2)どのレンジを狙うか
- 1〜2億:50〜80㎡の「高級実需ゾーン」
- 2〜5億:70〜100㎡・タワー上層〜低層レジデンスの「コア高級ゾーン」
- 5〜10億:100㎡超・プレミアムフロア
- 10億超:最上階・超高額帯
自分のライフプラン・資産全体の構成を踏まえ、
「今の自分がどのレンジを現実的なターゲットにすべきか」 を明確にすることが、物件選び以前の第一ステップです。
(3)“天井感”ではなく“納得感”で判断できているか
超高額帯のニュースが飛び交う中で、
「高すぎるのでは?」という感覚だけに引っ張られると、決断が遅れがちです。
- データ上の相場(エリア・築年・ブランド)
- 自分のキャッシュフローと資産構成
- その物件にしかない眺望・プラン・ストーリー
これらを整理したうえで、
「今のこの価格でも、自分にとって合理的か」
という視点で考えることが重要です。
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7.まとめ──“異次元価格”をどう自分ごとに落とし込むか
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今回のマーキュリーの調査は、
- 坪1,000万円以上の中古マンションが全国810戸
- その半分近くが港区に集中
- 10億円超の中古住戸も、もはや珍しくない
という“超高額ゾーン”の姿を、具体的な数字で示しました。
一方で、これは「一部の異次元マーケット」の話で終わるものではありません。
都心タワーマンションを中心に付いた極端な価格は、
- 同じ棟内の下位フロア
- 近隣のタワー・低層レジデンス
- 隣接エリアの高級マンション
にもじわじわと波及し、広い意味での“都心高級ゾーン”のベース価格 を引き上げています。
- 既に都心の高額帯マンションを所有しているオーナーの方は、
「自分の物件がこの分布のどこに位置しているのか」を整理すること。
- これから購入を検討する方は、
「単価」「総額」「レンジ(1〜2億/2〜5億/5〜10億/10億超)」のどこで勝負するのかを、先に決めること。
そのうえで個別物件を見ていくと、
ニュースで語られる“異次元の価格”も、冷静な材料として扱いやすくなります。
本記事は、株式会社マーキュリーが2025年11月26日に公表した調査レポートをもとに、
2025年1〜5月の中古マンションデータを整理しつつ、都心高級マンションの売却・購入検討に役立つ形で再構成したものです。
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